前回、世の中を変える力があるのは、主人公が楽しそうに物事に熱中する、熱中系ストーリー漫画だとお話ししました。
今回はその補足となります。
名探偵フィリップ・マーロウを生み出した小説家、レイモンド・チャンドラーは言いました。
「ある日、朝起きたら腕が四本になっていた男がいたとする」
「だが、どうして腕が四本になったのかを、説明してはならない」
「腕が四本になったことで、どんな事件が起きたかを描くべきだ」
「なぜならそれが、何よりの説明になっているからだ」
つまりチャンドラーが言いたいのはこうです。
車の機能を説明するのではなく、誰かが車を楽しそうに使っていれば、それが一番の説明になっている。
という事です。
勘の良い人であれば、それで成功し躍進している人々を思い浮かべているハズです。
そう、ユーチューバーの方々です。
彼らは楽しそうにマイクラをプレイし、旨そうにステーキを食べ、かっこよくハンドスピナーを回していました。
トップユーチューバーともなれば、絶大な影響力を誇ります。
彼らが人々から支持される理由は、もはや明白ですよね?
頭の固い大人は、とかく商品を説明してしまいがちです。
ですが本当に大事なのは、楽しそうに熱中する姿なんですよ。
主人公が何かに熱中し、楽しんでいる姿は、ときに大きな熱狂的ブームを起こします。
企業がネット漫画を連載する価値が、十分にあるのがお分かりいただけましたか?
※ちなみに、チャンドラーの代表作には、『さらば愛しき人よ』、『ロング・グッドバイ』などがあり、アガサ・クリスティや村上春樹に絶大な影響を与えました。