企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)020話

「ワタシ、フランスから来たネ。ニッポンのアニメ、マンガ、とてーもスバラシイね」

イリヤは片言の日本語ではあったが、意味は通じた。

「ワタシもマンガ描いてるね。でも、ウチのガッコ、マンケンないね」

 

日本も、国際色豊かになったモノである。

海外からの観光客も増えたし、コンビニの店員も外国人が多くなった。

 

「つまり、二人も漫画の発表の場が欲しいと?」

「そ、そうです」「イグザクリー

市川さんと、イリヤさんが答えた。

 

「あれ、イグザクリーって英語なんじゃ?」

ボクは疑問に思いつつも、日本人だって英語を話すのだと思いなおし、話を進めた。

「それで二人とも、どんな感じの漫画を描くのかな?」

「あ、それなら原稿を持ってきました」「これね」

 

二人から原稿用紙を受け取る。

「なる程。市川さんは絵も話も、かなり少女漫画寄りなんだ」「は、はい」

「わたしはまだ、少年漫画寄りな方っス」「確かにそうだな」

 

もう片方のイリヤさんの原稿に目をやると、少年漫画風の絵柄ではあるものの、前の二人と比べて、画力はまだ劣っていた。

「ううん。イリヤさんのはまだ、粗削りな感じがするなあ?」

「マンガ描き始めて、三年目ね。これからもっとっもっと、シュギョーね」

フランス人留学生は、前向きだった。

 

「とりあえず、頭数というのであれば、載っけたらどうっスか? わたし一人で描いてるだけじゃ、雑誌の意味もないっスから」

それはもっともな意見だった。

「そうだなあ。オレの方向性としては、少年マンガ路線で行きたいところだケド、贅沢は言ってられないよな?」

 

「でも、お兄さんは企業の漫画を描きたいんスよねえ?」「まあそうだケド」

「なら、提案があるっス。二人はまだ、描く漫画の方向性も決めてないんスよ」

「は、はあ?」ボクは、原田妹の意図が、読み取れなかった。

 

「だから、仮想の企業と仮想の商品を作ってっスね。それを描いてもらうってのは、どうっスか?」「な、なる程」それは名案だと思った。

 

原田妹が描いたのは、普通の少年サッカーマンガであり、プロサッカーチームなどの漫画となり得なくも無いが、最初から狙ったものではなかった。

 

「もし、二人がそれでいいなら、だけど・・・どうかな?」

「そ、そうですね。良いと思います。わたしはまだ、自分が描きたい話も確立していないので、勉強になると思うんです」

市川さんは、茶髪の外見に反して、根は真面目なコだった。

 

「これもシュギョーね。ドントコーイね」

イリヤさんも、とりあえず前向きだった。

「決まりっスね。それじゃあ、お兄さんのアパートにレッツゴーっス」

「ええ、今からウチ来るのォ?」ボクは部屋の現状を、脳裏に浮かべた。

 

「また何か、見られてはいけないモノでも、あるっスか?」

「な、なな、無いよ。でも、二人は・・・?」

 

市川さんと、イリヤさんは、すでにコーヒーを飲み干し、荷物をまとめていた。