企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)099話

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猫カフェ

芽美が、ネット漫画雑誌を始める男のマンガのネームを描き……。

 

今井さんが、繁華街のアーケードを見降ろしながら、自身の生み出そうとする作品に、新たなインスピレーションを得ていた頃……。

 

「大野……アンタも漫画描いてるの?」

「そ、そうだよ。でも、山口に見せても、どうかと思うケド……」

 

二人の女子高生がある専門店で、タピオカドリンクを飲みながら漫画のネームを見せ合っていた。

 

猫カフェの看板娘の、二人の姉妹のお話かあ。アンタにしては、中々いいじゃない」

メガネの女子高生が言った。

 

「アンタにしては……は、余計だよ、でも、珍しく良いって言うんだね?」

「そりゃ、良いモノは良いって言うよ。大野のこれまでのネームの中じゃ、一番出来がいいと思う」

 

「え、そう? お兄さんにも、こっちが良いって言われて、今こっち描いてるんだけど……」

 

「なる程ねえ。だから、猫カフェに付き合わされてんだ、わたし」

彼女たちの周りでは、小さな猫がニャー、ニャーと鳴いている。

 

「猫が大好きな妹と、猫アレルギーな姉が、色んなお客さんと会話をしながら、成長していくのね?」

「せ、成長するかは解らないケド、そんな感じ」

 

「そっかあ。んで、お店の内部調査ってワケね」

「取材って言ってよ」「ちゃんと許可取ってるの?」

「そ、それは……」大野さんは、アワアワしていた。

 

「取っておいたほうがいいかもよ? 写真をスキャンしてハメ込むんでしょ?」

「それが、写真だとわたしの絵柄には、合わなくて……」

 

「確かにアンタの描く絵って、かなりディフォルメされてるよね? よくもそれでキャラとして、まとめられるなあって、関心してんのよ」

 

 「ヘンな関心の仕方、しないでよ。でも、十ページはキャラと吹き出しは描いてて、アトは背景だけなんだケド……」

 

「それならいったん、スケッチで描いた方がいいかもね」

「スケッチって?」「ホラ、こんな感じよ」

山口さんは、ファンタジー世界の武器屋や、城のスケッチを大野さんに見せた。

 

「わたしも、株とか投資モノの漫画だケド、異世界って設定だから、写真の取り込み技は使えなくてさ」

スケッチの描かれたノートのページを、めくる山口さん。

 

「こうやって、建物の設定を決めて置けば、後で同じ建物が出て来たときでも困らないでしょ?」

「そっかあ。山口ってノートの取り方、上手いって思ってたんだ」

 

「それ、勉強の話でしょ? でもまあ、そのスキルを使ってるのかもね」

「ところで山口は、自分の作品仕上がってるの?」

「うん……それなんだケド……」「ん?」

 

「実はそろそろ……漫画を描くの、辞めようと思って……」

山口さんは言った。