企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

企業漫画の限界と可能性9・中小企業におけるウェブ漫画雑誌、運用の注意点

前回は、中小企業でも共同出資でウェブ漫画雑誌の運用は、可能だとお伝えしました。

出版不況と言われる現在でも、ウェブ書籍の発行部数はむしろ伸びてます。

 

また、漫画という媒体自体の発行部数は、小説などと比べて高く、中には一億部を超える作品も散見します。

リスクは当然ありますが、中小企業が集まって共同出資をしてでも、運営する価値はあると思います。

 

ですが、漫画雑誌の運営には注意が必要です。

大手企業のように、有名な漫画雑誌の編集者と契約できれば、運営から漫画家との付き合い方まで一任できるのですが、漫画業界を知るくらいのアドバイザーでは、一任するのはリスクが高いです。

 

ですので、ある程度は漫画の知識と、漫画雑誌運営のノウハウ、漫画家との付き合い方を知っておく必要があります。

漫画とアニメの違いも解らないなど、もっての他です。

逆に、漫画をたくさん読んでいるから、自分は漫画のスペシャリストだと思うのも危険です。

普通に考えて、色々な料理を食べ歩いているからといって、優秀なシェフになれるワケではありません。漫画も同じです。

 

漫画雑誌を運営する前に、まずは漫画家という得体の知れない生物について、知る必要があります。

彼らはまず、漫画を描いてそれが世間の評価を受け、成功するのを夢見ます。

また、できる限り、自分の描きたい漫画でそれを成し得たいと思うものです。

 

これについてですが、よほどの理由でも無い限りは、彼らの意思に反する必要は無いと思います。

一概に漫画家といっても、描ける絵、ストーリー展開、笑わせ方や間の取り方まで、一人一人違います。

かわいい絵が得意な漫画家に、劇画調の絵を描けと言っても無理です。

逆に、リアルな絵が得意な漫画家に、かわいい絵を描けと言っても、無理な場合が多いです。

笑わせる話が得意な漫画家もいれば、感動させる話が得意な漫画家もいます。

 

お笑い芸人を想像すると、分かりやすいでしょうか?

彼らも、ギャグのセンスや間の取り方、ツッコミのタイミングまで様々です。

ビートたけしに、志村けんみたいな笑いをやってくれと言っても、だったら最初から志村けんに声をかけろよとなるのです。

 

まずは、自社商品やサービスの雰囲気に合った漫画家を、選びましょう。

ですが、気を付けなければならないのは、お互いのイメージを完全に一致させるのは無理です。ある程度の妥協は必要となります。

実はこれが一番、難しかったりするのですが。

 

現在はランサーズなど、クリエイターと契約できるサイトも増えてますので、こういったサービスを利用するのも手です。

ただ、気を付けなければならないのは納期、漫画家でいう締め切りです。

 

担当編集者が漫画家に付く、大手漫画雑誌ですら落とす場合もあるのですから、落とすのは覚悟で運営してください。

何を言っているのかと思われるかもしれませんが、漫画の場合、やっつけですら何ともならない場合が多いです。

文章と違って、いちいち絵を描いてるワケですから、物理的に無理な場合も多いのです。

 

また、『納期は守るけど人気の無い漫画家』と、『納期は守らないけど人気のある漫画』が居たとします。

漫画の世界では、圧倒的に後者に価値があります。

有名な雑誌でも、どれだけ落としても切られない漫画家はいます。

それだけ、世の中に影響を及ぼす漫画を描ける人材は、限られているのです。

 

資本が限られているのに、締め切りを落としたくらいで漫画家を切っていたら、何の意味もありません。

要は漫画家に人気漫画を描いてもらい、世の中の注目を集めるのが重要なのです。

 

社会常識だとか、プロ意識だとか、漫画家に言っても、大して意味はありません。

時間の無駄ですから、止めましょう。