成果と報酬
「アフィリエイトってのは、ホームページには貼る、クリック型広告のコトだよ」
ボクは、萩原さん以外の四人に、アフィリエイトの仕組みを詳しく説明した。
「え、えっと、簡単に言っちゃえば、ウチらのネット漫画雑誌を読みに来てくれた人を、企業とか依頼主のホームページに飛ばしちゃうんすね?」
原田妹は、懐疑的な印象を受けた様だ。
「な、なんか人聞きが悪いな。別に騙してクリックさせようとは思ってないから」
「でも、せっかく漫画を読みに来てくれた人に、宣伝するのもちょっとどうかと」
市川さんも、反対意見を述べる。
「ちょっと待って。二人とも、ネガティブに考えすぎてない?」
萩原さんが、反論を開始した。
「ウチらの雑誌を読みに来てくれた読者が、喜びそうな商品やサービスの広告を載っければいいんじゃない?」
「例えば、どんなのっスか?」「え、えっとだから」
「そうだな。漫画を読みに来てくれてるんだから、おすすめ漫画とか、アニメのサービスが良いと思ったんだケド」
「え、そんなの、選べるんスか?」原田妹にとっては、想定外だったようだ。
「ああ、今はアフィリエイトを仲介してくれるサイトもあるし、世界最大のネットショッピングの会社も、出品されてる商品をアフィリエイトとして紹介できるよ」
「そ、それじゃあ、こんなマンガや、これとかもっス?」
原田妹は、スマホ画面に色々な漫画を表示させた。
「あ、ああ。行けるは行けるケド、単価は安いかな」
「そ、そうっスよねえ。元が安いし、そこから出すワケっスから」
「でも、関連の映像メディアとか、フィギュアなんかも同時に紹介すれば、ある程度の売り上げにはなるんじゃないかな?」
「フィギュアまで、売れちゃうんスか?」「フィギュアも、単価は安いケドね」
「ちなみにお兄さん。単価が高い商品って、何があるんですか?」
「需要が多ければ、単価は上がる傾向にあるね。色々あるケド、キミたちの身近なモノで言えば、美容とか、ダイエット関連の商品やサービスは、高単価だって聞くね」
「え? 美容とか、ダイエットなんて、全然興味無いっスよ?」
明らかに無さそうな女子高生が言った。
「それ、自分が興味無いだけだろ? 大体の女性は、化粧品とかコスメとか、ダイエット法とかには、興味あるんじゃないかな?」
「そ、そりゃまあ、そうだね」「だってですよ、太ってたりしたら、ホラ・・・」
「女の子は、キレイで可愛くありたいんだよ」「これでも、一応は女子」
萩原さんも、市川さんも、大野さんも、山口さんも同意した。
「悪かったっスね。わたしは、漫画とアニメとゲームさえあれば、十分っス」
ふてくされる原田妹。
「でも、一応は少年誌なんだよね? 作者は全員、女の子だケド」
「ああ。だから流石に、化粧品やダイエットは厳しいな」
「ホラ。やっぱ、ゲームか、アニメか、フィギュアしかないっス」
「アニメは、サブスクリプトのサービスが、お勧めだね」
「サブスプ……なんスか、それ?」
「サブスクリプト。簡単に言えば、月額課金のコトだね」
「簡単に言って欲しいっス」
「例えばこのサービスだと、アニメ限定なんだケド、こんなのが見放題だよ」
ボクは、アニメの月額課金サービスの、アニメ一覧を原田妹に見せた。
「こ、こんなに見放題っスか? わ、わたしが今まで、わざわざ録画して、編集して、光学メディアに焼いていた苦労はなんだったっスかぁ?」
原田妹は、心の底から叫んだ。
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