企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)002話

この場は、引き下がるしかないと思った。

 

けれどもボクには、子供のころから少しだけ評価されている部分があった。

それは好奇心だ。

両親や歴代の担任など、そこだけはボクを評価してくれていた。

 

「と、ところで佐藤。具体的に何がダメだったんだ?」

無関心の中に紛れ込ませながら聞いてみた。

 

「何もかも・・・かな?」

「え、何もかも?」

「だってよ。絵は描けないし、ストーリーもグダグダ。それに下手な絵だって、1ページに何コマも埋めないといけないんだぜ」

予想以上に厳しい答えが返ってきた。

 

「でもお前、イラストならオレくらい描けるじゃんか?」

「まあ、一枚絵ならな。それを何コマも描くってなると、グダってくる。クオリティーが落ちてくるんだ」

「そ、そんなもんか?」「そんなもんだ」

佐藤はコーラをすすりながら言った。

 

「それに背景、ありゃメンドいわ。最近の漫画の背景なんて、製図並みじゃん? あんなの描いてらんねーぜ」

「た、確かに」

すると、それまで傍観を決め込んでいた、原田も口を開いた。

 

「漫画を描くのって、やっぱハードル高いのな。そこまで苦労すんなら、変なネット雑誌に載せるより、漫画の賞とかに応募するわな」

「っま、いきなり賞が取れるのは、一部の天才だろうしな。落ちたら、ネットに乗せるのもありだとは思うが」

佐藤は意外にも反論した。

 

「確かに賞を通さずに、ネット漫画からプロになったヤツもいる。なら、オレが作ったネット漫画雑誌でも、可能性はあるよな?」

「え? ないだろ?」「いや、ある」「ねぇって」

二人のネガティブな意見を聞いても、ボクの心はポジティブで満たされていた。

 

次の日、ボクは漫画の画材ショップでGペンと、製図用インクと、漫画用原稿用紙を購入した。

それからパソコンショップへとハシゴし、安価なペンタブレットも買ってみた。

 

「とりあえずまあ、自分でもやってみないとな? 漫画の制作時間や、どこで挫折するのかも、調べないと」

ボクの手には、Gペンが握られていた。