企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)003話

インクの香りが、鼻腔をくすぐる。

墨汁とはまた違った感じの、整然とした匂いだ。

 

ボクはGペンにインクをしみこませて、おろしたての原稿用紙に線を描いてみた。

「なる程、こんな感じか? コツは入りそうだが、何とかならないでも無いな」

製図用インクは、証券用インクと比べて、水に滲んでしまう特徴があるが、その分描きやすいそうだ。

 

「ま、ボクはさほど、手汗は描かないし、製図用インクで良さそうだ」

便利な時代である。漫画の知識の無いボクでも、知識はいくらでもネットに転がっているのだ。

 

「それじゃあ、本格的に、キャラでも描いてみるか?」

今度はシャープペンシルでキャラの下書きをしてから、線の上をGペンでなぞった。

「クッ、シャープと違って、ペンに向きがあるのが厄介だな? なかなか上手く、なぞれやしない」

Gペンは、Gと浮彫で刻まれている面を上にして、引くようにしないとインクが出ない。

 

「それに、何度も消しゴムをかけてちゃダメだな。紙の表面がけば立って上手くインクが乗らなくなるぞ」

それまで、よくある油性ペンなどを使って、イラストを描いていたボクには、Gペンはなかなかに手ごわかった。

 

「確か、丸とか描いて練習しろってあったよな? クウ、こりゃ大変だわ」

得意とするキャラクターで、結構な大変さなのだから、枠線引きや背景の事も考えると、相当に煩雑な作業であると理解できた。

「これで、ベタ塗って、トーンも貼らないといけないのかあ・・・マジむりかも?」

とりあえずペン先のインクをティシュで拭き取って、原稿用紙を片付けた。

 

「次は、ペンタブ行ってみるか? 最近じゃ、ペンタブ使って漫画を描いてる漫画家も増えてるって話だし、自分にどっちが合ってるか試してみないとな」

パソコンは自作で、それなりのグラフィックボードも積んでいるので、ある程度の作業ならこなせるスペックだ。

ボクはパソコンのUSBポートに、買ってきたタブレットを差し込んだ。

 

「しっかし、ペンタブも安くなったよなあ? ソフトはなんも入ってないとは言え、1万円を切るなんてな」

ボクの手は、ペンタブのペンを握りしめていた。