企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

集英社のH編集者から学んだ、人気マンガの描き方・001

ボクは、ネットマンガ雑誌を始める前は、普通のマンガ家の様にマンガ雑誌に持ち込みをしてました。

 

その中から、集英社の編集者である、H氏(ご本人に確認を取ったワケではないので、名前は伏せさていただきます)に教わった、人気マンガの描き方を皆様と共有しようと思います。

 

H氏は当時、週刊少年ジャンプにて編集者をされていて、ボクはマンガを持ち込んでは見てもらっていました。

結局、H氏の期待には応えられず、プロ漫画家にはなれませんでしたが、彼からは色々なアドバイスを貰いました。

 

その中から一つずつ、人気漫画の描き方のポイントを解説していきたいと思います。

 

漫画を描く場合、When(いつ) Where(どこで) Who(誰が) What(何を) Why(なぜ)したのか、を考えたりします。

 

集英社さん(当時の週刊少年ジャンプ)の場合、 Who(誰が)を非常に重視します。

H氏に、言われました。

「ワキはなんとかしてやるから、真ん中持って来い」・・・と。

 

脇役はこっちでなんとかしてやるから、主役を持って来いと言うのです。

「それが、一番ムズカシイんだよぉおおぉお!」

だって当時も今も、週刊少年ジャンプの主役といったら、とんでもない化け物ばかりが顔を並べているのですよ。

 

孫 悟空、ケンシロウ、大空 翼、キン肉マン、冴羽 リョウ、うずまきナルト夜神 月、星矢、モンキー・D・ルフィー、緋村 剣心、両津 勘吉・・・。

 

誰もが知るヒーローばかりです。

これらの人物に匹敵する主役を、求められるワケです。

 

あと、ジャンプらしい主役ヒーローでなくてはなりません。

ボクは当時、『ファイティングアーマーセレシオン』という作品を持ち込んだのですが、OKはもらえませんでした。

 

リンクを貼っておきます。(持ち込み当時のモノはプロトタイプ)

FAセレシオン

 

なぜ、ダメなのか?

それは、ジャンプらしい主人公では無いからです。

 

「何かをしないと、人に注目して貰えない主人公はダメだよ」

H氏は、そう言うのです。

 

セレシオンを読んでいただければ解りますが、ロボットに乗らないと能力を発揮できない主人公ではダメなのだそうです。

あくまでジャンプの話ですが、ガンダムアムロ・レイも、エヴァの碇 シンジもアウトです。

 

簡単に言ってしまえば、ジャンプの場合、物語性よりも主人公力を求めているんです。

 

では、ジャンプらしい主人公って何か?

とても考えました。

H氏は、何も言ってはくれません。

そこは、漫画家が考える領域なのだそうです。

 

ある時、気づきました。

 

『太陽のような男』だと。

 

孫 悟空、大空 翼、ルフィ、ナルト・・・。

ジャンプの主人公たちは、一言で言い現わせば皆、太陽のような男なのですよ。

 

ボクは、ジャンプの黄金期の漫画を読んで育った世代です。

車田 正美先生の漫画も、多く読みました。

 

その中に、『男坂』という伝説の漫画があります。

主人公の菊川 仁義の仲間の、黒田 闘吉が敵に捕まって問われます。

「仁義とは、どんな男だ。大将の器なのか?」と。

 

それを問うた梓 鸞丸は、澄み切った湖の様な瞳をしていて、聡明で明らかに大将の器でした。

闘吉は答えに悩みますが、仁義が鸞丸よりも劣っているとは、どうしても思えないのです。

思い悩んだ彼が、出した答えが・・・

 

『菊川 仁義は、太陽のような男だ』

 

と、言うのです。

 

結局のところ、主人公力で読ませる漫画は、太陽のような男が主役である事は、必須に思います。

 

 

その後、H氏は週刊少年ジャンプの編集長となり、ボクはジャンプでのプロ漫画家への道を諦め、独自にネット漫画雑誌『月刊少年DA王』を立ち上げ、漫画を何本も連載しました。

 

漫画を描けば描くほど、H氏の言っていた意味が理解できた気がします。