企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)023話

「おお、すでにネームに入ってるっスね」

「それにしても、凄いスピードだな。字は汚いケド」

「市川は昔っから、頭に思い浮かんだモノを直ぐに絵にしちゃうんスよ」

 

「でも、意外だなあ」「何がっスか?」

「鉛筆を転がして、ハワイでサムライがスノボとか出たときは、どうなのって思ったケド、意外になんとかなるモンだよな」

 

 「そこが漫画の面白いとこッス。あまりに現実に縛られると、逆にリアリティが無くなっちゃうっス」

「漫画のリアリティは、現実的って意味じゃないってのが、解った気がするよ」

 

すると、手持ち無沙汰をしていたイリヤが、原田妹に質問した。

「でも、クレヨン転がして決めるなんて、スゴーイね」

「クレヨン?」「コレのコトでーす」

イリヤは、お尻の削れた鉛筆を持って揺らした。

「ええっ、クレヨンって鉛筆のコトだったのか?」

 

ボクは身近に潜む、フランス語に驚いた。

「確かに変わった決め方っスけど、演劇とかにもあるじゃないっスか」

「ああ。即興で設定やら役柄を決めて、即興で演じる訓練のコトだな?」

「そうっス。でも漫画の場合は、少し目的が違うっス」

 

「ん? どう違うんだ?」

「それはっスねえ。漫画のストーリーって漫画家が考えると、けっこーありきたりだったり、王道が過ぎたりするっス」

「そう言うコトか。型破りなキャラや舞台設定を入れて、運命を天に任せるコトで、ありきたりじゃない話が描けるんだな?」

 

「市川は、アタシと違って真面目っスからね。少しくらい型破りな方が、魅力が出るんスよ」

「現実にウソを上手く織り交ぜるのが、漫画なのか。これは勉強になるなあ」

「でも、読み切りや、連載開始のときくらいしか、使えないっス」

「確かに、ストーリーの途中で使ったら、とんでも無いコトになりそうだな」

 

すると市川さんが、机でトントンとA4の紙を揃えていた。

「お、描き終わったっスか?」「は、早いな」

「市川のネームを描くスピードは、アタシの三倍っス」「ス、スゲェ」

 

「逆にストーリーが纏まらず、思い悩むと三週間は詰まるっス」「お、おう」

ボクは原田妹が、鉛筆を使った真の理由が解った気がした。

 

「それじゃあ、始めるっスか?」「うん、そうだね」

「わたしもお手伝ーいね。トーン貼り、ベタ塗り、何でもやーるね」

 

その日、新たな漫画が産声を上げた。