企業漫画が読まれないワケと、企業が活用すべき漫画の新たなスタイルを提示

エイチ・ヒノモトの企業漫画とラノベのブログ

報酬も無いのに、ネットで漫画を1000ページ以上描いた男が、企業漫画のコンサルティングをしながら、ブログでライトノベルを連載してみた。

漫画好きなニートが、自らネット漫画雑誌を立ち上げてみた。(仮想)135話

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合宿

一週間が経過した。

辺りの雰囲気も、かなり秋っぽくなる。

 

「つまりオレは、スポーツ関連の量販店とスポンサー契約をした上で、成瀬さんとこのデザイン事務所のホームページにも漫画を載せるんだよな」

 

いつものファミレスで、佐藤がマカロニグラタンを食べながら言った。

 

「まあ、作ってるのは成瀬さんトコだケド、大倉野さんのサッカークラブのホームページだケドな」

 

ボクも、目の前のデミグラスオムライスを頬張りながら、返答をする。

 

「だ、大丈夫か? かなり、大事になってるよな」

「だよなあ。昨日、試作のホームページを見せてもらったケド、キャラ紹介やらこれまでのストーリーやら、かなり綿密にデザインされててさ」

 

「なんか、とんでもないプレッシャーなんだケド?」

「スポーツ関連の量販店のロゴを、主人公チームの胸に入れるって話があるんだ。契約としては、当然ユニホームだから歪んだりして構わないそうだが……どうする?」

 

「それ……幾らになんの?」

「一ヵ月、五万。つまり、一本で五万だな」

 

「グフゥッ!! プレッシャー!!」

「それとは別に、スポンサー料金も支払われる。今は、社長からして乗り気なんだ。市川さんのスノボ漫画で、連載漫画の味をしめた感じかな?」

 

「た、確かに企業としては、一回きりの説明漫画より、連載漫画の方が投資を長く回収できるってか?」

「解って来たじゃん、佐藤先生!」

 

「胸にロゴを入れるだけで、五万……でも、いきなり胸にロゴが入っていたら、おかしいだろ?」

 

「でも幸い、お前のサッカー漫画ってプロサッカー選手が立ち上げた、ローカルリーグのチームなワケだしな。スポンサーを見つける展開も、ありなんじゃないか?」

 

「う~む、言われてみれば、何とでもなりそうだな?」

「あと、店舗とか出すなら、写真から起こしてOKって話だ。それに見学したいのであれば、いつでも構わないってさ」

 

「やっぱ、店舗とか出した方がいいよな。どんな話にするか?」

佐藤が、喰いかけのマカロニグラタンの前で、腕を組んでいると、学校帰りの市川さんと田中さんがやって来た。

 

「あ、佐藤先生。どうもです」

市川さんが、丁寧に頭を下げる。

 

「市川さんたちも、好きなの頼んじゃって。漫画家たちとの親睦ってコトで、経費で落とすから」

「あ、はい。では、遠慮なく」

 

市川さんはシーフードパエリア、田中さんはカルボナーラを頼んだ。

 

「そう言えば、そろそろスノーボードの季節ですよね?」

田中さんが、さりげなく言った。

 

「あ、あの、スノボ合宿とか……ど、どうでしょうか!?」

何故か市川さんは、顔を赤らめている。

 

「合宿かあ。いいね、それ」

ボクのネット漫画雑誌のメンバーも、アニメみたく合宿に行くコトになりそうだった。